メールマガジン2018年5月号

記事更新日:2018-4-28

暖かくなってきましたが、朝晩は気温の冷え込みも多い季節です。脱ぎ着できる羽織を用意するなど、気温の変化に対応して過ごしましょう。

CONTENTS

1.女性だけじゃない?関節リウマチの実態 2.休診日のお知らせ

1.女性だけじゃない?関節リウマチの実態

関節リウマチと聞くとお年寄りや女性の病気というイメージがあるけれど、本当はどうなのかな? 免疫の異常と言われるとなんだか気になるし、詳しく知っていたほうが、早めの対策がとれるかもしれないな。


○喫煙で男性は発症率2~3倍に

高齢者や女性がなる病気と思われがちな関節リウマチですが、実際にはどの年代でも、男性にも発症する可能性があります。日本での患者数は70~80万人にのぼり、男女比は1:4で30歳~50歳の女性にとても多い病気です。女性ホルモンが直接病気を引き起こす原因にはなりませんが、女性ホルモンは自己抗体の働きや、免疫反応を促すサイトカイン(免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質)を活性化しやすいと考えられています。

関節リウマチは、自己免疫疾患で膠原病の一種です。免疫の異常により関節を包む滑膜に炎症が起こり、それが増殖すると軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれます。放っておくと、やがて関節が変形してしまいます。

免疫は本来細菌やウイルスなどの外敵を排除するシステムですが、異常が起こると自分の身体の一部を外敵と錯覚して排除しようとしてしまいます。関節リウマチを患った関節は、炎症を起こした滑膜からサイトカインが異常分泌するのです。

この病気の原因はいまだに不明ですが、遺伝的な要因や女性ホルモンなどの遺伝的要因のほか、環境的な要因としてタバコがあげられます。喫煙歴がある、または現在喫煙している人では、男性で2~3倍、女性で1.2~1.3倍の発症率となることが報告されています。


○早期リウマチチェック

あなたは大丈夫? 早期リウマチチェックをしてみましょう。


○生活の中で行う基礎療法

関節リウマチは治療の前段階で、普段の生活の中で行う基礎療法がとても大切です。日常生活の注意は、その後の治療にも影響するといわれています。

以下にポイントを紹介しましょう。

1) 日常生活は無理をせず身体と心を安静に保ちます。

2) 疲労は症状悪化のきっかけになることがあるので、休養をとって身体と心のストレスを減らすようにしましょう。

3) 身体の冷えに気をつけ、部屋の湿度が高くならないようにします。

4) 感染予防のためにインフルエンザなどの予防接種を受け、外出にはマスクを使用して、帰宅後は手洗いとうがいを徹底しましょう。また、清潔を保ち、傷ができたら消毒と絆創膏で手当をしてください。

そのほかの注意点は以下になります。


○禁煙と飲みすぎに注意

タバコは関節リウマチの発症リスクを高めるので、予防のためにも禁煙がおすすめです。それだけでなく、喫煙は薬の効きを悪くして、治療に影響します。節煙では効果がないので、きっぱりとやめるようにしましょう。

アルコールは1~2杯程度であれば、まず問題ないことが多いといわれています。飲みすぎには注意しましょう。


○バランスのよい食事が大切

3食規則正しく食べ、炭水化物、タンパク質、脂質、ミネラル、食物繊維をしっかり食べることが大切です。糖尿病を合併している場合は炭水化物、脂質異常症を合併している場合は脂質、高血圧症を合併している場合は塩分などそれぞれ気をつけます。リウマチは貧血や骨粗しょう症などを合併しやすいので、鉄分やカルシウム、良質のタンパク質を積極的に摂るようにしましょう。


○毎日少しずつでも身体を動かす

炎症や痛みが強い時は安静が第一ですが、病状が落ち着いてきたら自分でできる範囲で、毎日少しずつでもリハビリテーションや運動を続けましょう。身体を動かすことで関節や筋肉の機能を守ることができます。自宅で簡単にできる全身の関節を動かすリウマチ体操や、炎症が強い時は関節を動かさずにできる体操がありますので、体調と相談しながら無理せず行うことが大切です。たとえば、手を握ったり開いたり、指をそろえたり離したりするだけでも、手の指の関節の可動域を維持できます。


2.休診日のお知らせ

5月1日(火)労働節は休診日となります。

あらかじめご了承ください。

Copyright© 2010 蘇州森茂診療所-日系クリニック All Rights Reserved.