メールマガジン2018年9月号

記事更新日:2018-8-30

2018年も残り4カ月となりました。
暦の上では秋ですが、まだまだ暑い日が続いていますね!
しっかり体調管理をして毎日を過ごしましょう!

さて、先月からお送りしている健康診断の項目についてですが、
第2弾の9月は肺機能検査胸部レントゲン検査についてお送り致します。
健康診断時には欠かせないこの2つの項目ついて、検査方法や検査結果で分かる事について触れて行きたいと思います。

CONTENTS

1.胸部レントゲン検査とは!
2.肺機能検査とは!

1.肺機能検査とは!

肺機能検査は呼吸機能検査とも言われています。
検査は名前通り呼吸がちゃんとできているかを検査する事で、肺の機能を見る事ができます。
肺機能検査で調べているものは、肺にどのくらいの空気が入るかや、空気を出し入れする換気機能のレベルです。喘息(ぜんそく)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患をはじめとする、呼吸器の病気が疑われるときや、その状態をみるときに行う検査です。息を吸ったり吐いたりして息を吸う力、吐く力、酸素を取り込む能力などを調べます。
検査にはスパイロメータという機械を用いることが多いです。鼻から空気が漏れないようにクリップでつまみ、マウスピースという筒をくわえて、検査技師の指示に従って息を吸ったり吐いたりします。


検査項目 検査内容
1回換気量(TV) 安静状態で呼吸したときの、吸った息(吸気)と吐いた息(呼気)の量
肺活量(VC) 深く息を吸い込み、ゆっくりとできるだけ吐き出したときの息の量
%肺活量(%VC) 予測肺活量(性別、年齢、身長から計算式で得られた標準値)に対する肺活量(実測値)との比率
努力性肺活量(FVC) 息を思いきり吸い込み、一気に吐き出したときの息の量
1秒量(FEV1.0) 息を思いきり吸い込み、一気に吐き出したときの最初の1秒間の息の量
1秒率(FEV1.0%) 1秒量が努力性肺活量に占める割合
%1秒量(%FEV1.0) 予測1秒量(性別、年齢、身長よる計算式で得られた標準値)に対する1秒量(実測値)の比率

これら肺機能の検査から呼吸器の病気を診断します。%肺活量の数値が低い場合は、肺が広がりにくくなっている可能性があり拘束性換気障害が疑われます。また、1秒率の数値が低い場合は軌道が狭まり息を吐きにくい状態の閉塞性換気障害と診断されます。1秒率と%1秒量の組み合わせから閉塞性換気障害の重症度が判定できます。


区分 項目 略号 %肺活量の基準値 1秒率の基準値 %1秒量の基準値 単位
呼吸器 肺機能検査 80以上 70以上 80以上 %

「%肺活量」だけが低値である(%肺活量が80%未満、1秒率が70%以上) → 拘束性換気障害
「1秒率」だけが低値である(%肺活量が80%以上、1秒率が70%未満) → 閉塞性換気障害
「%肺活量」「1秒率」ともに低値である(%肺活量が80%未満、1秒率が70%未満) → 混合性換気障害

2.レントゲン検査とは!

肺・心臓・両肺の間にある縦隔等の器官の異常を調べる検査です。
立位での正面像と側面像、ときには側臥位(検査台に寝て横向き)の像を撮影します。撮影のときは息をしっかり止めないと写真がぶれるので注意が必要です。正面撮影では、胸側にフィルムを置き、背中側からX線を照射します。大きく息を吸い、しっかり止めたところで撮影します。次に横を向き、同じように撮ります。側面像では、肺が心臓や横隔膜、助骨などと重なって、正面像では判定困難な変化を見つけることができます。なお、側臥位撮影は胸水が疑われるときに行ない、胸水のたまり具合がよく判定できます。


◆胸部X線検査で何がわかるのか?

肺の病気の診断に有用です。肺がん、肺結核、肺炎などでは、異常が白い影として映ります。気胸、肺気腫などは病気のあるところの空気が多くなるので、黒く映ります。気管支拡張症や胸水などもこ指摘されます。一方、肺といっしょに心臓や大血管も映るので、心臓弁膜症、拡張型心筋症や心筋梗塞など、心臓に拡大する病気が見つかるきっかけにもなります。また、心不全が悪化すると、肺水腫になったり、胸水が貯留したりすることもわかります。


◆検査結果の判定

健康の人の肺はX線写真に黒く写り、中心部の心臓などは白っぽく写ります。肺に腫瘍や炎症がなどの病変があると、白い陰影が写ります。不整な円形に近い白い影は肺がんなど、境界がぼやけて不明瞭な白い影は肺炎、肺結核などが疑われます。また、胸膜に空気が溜まる気胸では肺の縮んだ様子が写ります。


◆異常があったらどうするか?

肺がんが疑われるときには、胸部CT検査、喀痰検査、気管支内視鏡検査、腫瘍マーカーなどの精密検査を受けます。その他の肺の病気でも、CTや肺機能検査などの専門的な検査を受けます。

3.お知らせ

9/22(土)午前中は、田中医師による特別診察を行います。胃腸についてご相談されたい方はお早めにご予約下さい。また、午後からはシャングリラホテルにて講演会も開催致しますので、是非ご参加下さい。

4.休診日のお知らせ

9/24日(月)中秋節のため、お休み致します。ご迷惑をお掛け致しますが、ご了承ください。

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